(2) 実測データによる分析 マクロモデルに基づいて設定した、降車所要時間算出式と実際の降車状況の関係を調べるため、映像データから得られる、降車人数、降車所要時間の関係を図4.2.2−4〜図4.2.2−37にまとめた。また、列車到着時の車内混雑度もパラメータに加え、同一車内混雑度での、降車人数と降車所要時間の関係を図4.2.2−38にまとめた。降車速度(流量)と混雑度の関係を図4.2.2−39に示す。またワイドドアの効果を確認するため、ワイドドア車に関しては図中にマーキングを行った。(図4.2.2−14、図4.2.2−25、図4.2.2−37) 図4.2.2−4〜図4.2.2−37より以下のことが判明した。 (実測データとは、映像データをもとに、乗車人数、降車人数、車内混雑度等を読み取り、数値化したデータを意味する。) a.降車人数と降車所要時間の相関関係について。 図4.2.2−4〜図4.2.2−37で確認できる通り、降車人数と降車所要時間には一次の相関関係があると考えられる。これは4.2.2で仮定した「マクロモデル」の考えと一致している。 b.降車速度と車内混雑度の関係について 「マクロモデル」では、降車速度(流量)と車内混雑度の間に相関関係があると仮定した。この仮定が正しいとすれば、図4.2.2−4〜図4.2.2−37上の同一降車人数に対する降車所要時間のばらつきが車内混雑度に依存するはずである。車内混雑度と降車速度(流量)の関係を図4.2.2−39に示す。 図4.2.2−39より、降車速度(流量)と車内混雑度の間には明確な相関関係は存在しないことがわかる。この原因として以下のことが考えられる。 ?@ 降車人数が多い場合、ドア付近の乗客から順次降車するケースが多く、この場合は車内混雑度が原因で降車速度(流量)が低下することなく、降車人数のみに依存する形となる。 ?A 扉部までの移動は、複数人並行してできるため、降車所要時間は一人当たりの降車所要時間と降車人数との積にはならない。 c.降車速度とホーム混雑度の関係について 「マクロモデル」では、降車速度(流量)とホーム混雑度の間に相関関係があると仮定した、この仮定が正しいとすれば、映像データからも明らかにホーム混雑度が高い、茅場町駅2両目と、その他の箇所で明確な差異が認められるはずである。
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